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空白の翻訳

by 1031jp

June, Lady Luck

ちょうど一週間前、青梅街道を見下ろしながら聴いていたラジオで、Tom WaitsのOl'55が流れた。みんなに愛されている曲だからたまにラジオでもかかるし、ぼくもそのひとりだから大歓迎だ。日本で彼が語られるとき、枕詞のようにくっついている「酔いどれ(詩人)」という言葉はどうかと思うけれど。

家に帰って、何気なく手に取ったレコードに針を落とすと、A面の1曲目はOl’55のカヴァーだった。アメリカに渡ったイギリス人シンガーソングライターの、個性の強くない甘い声で行儀よく歌われるOl’55。インパクトに欠ける良質さ、地味だけれどきちんとしているものに、ここ数年ぼくは強く惹かれるようになった。

その夜、友人が月を見上げて、グレープフルーツみたいだと呟いた。満月の翌日だった。

いま、一週間前と同じ用事を済ませて帰宅し、一週間前と同じラジオ番組を聴きながらこれを書いている。6月を迎えると同時にアップするつもりだったものをいまごろ書いているのだから、これはぼくの過失による偶然だ。かつての支配者がいまでは自分の首が刎ねられるのを待っているという内容の、イギリスのロックバンドによる数年前の大ヒット曲が流れている。

こうして書いてみると、この一週間もどうってことなかったように思えるし、実際そうなのだろう。クロージングタイムがいつなのか分からないまま、こんな風に時は過ぎる。

日の長くなった6月の夕方、窓際で部屋干しのシャツが揺れている。今月誕生日を迎える人、おめでとう。

 

クロージング・タイム

クロージング・タイム

 

 

もう話したくない

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